最近、携わっている仕事の関係でインテリアにふれることが多くなった。
インテリアといっても、まったく興味を持っていなかった世界なので・・・・
ピンと来ないことが多いのが正直なところですが、インテリアの世界も音楽と同じように歴史があり、レジェンドたちがいることを知り少し興味が湧いてきた今日この頃です。
今日は、一番始めに興味をもったブランド「artek(アルテック)」をご紹介。
このブランドは、1935年に「アルヴァ・アアルト」「アイノ・アアルト」「マイレ・グリクセン」「ニルス=グスタフ・ハール」の4人の若者により「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を目的に、フィンランドのヘルシンキで設立されたとのこと。
社名の由来は「アート(芸術)」と「テクノロジー(技術)」というモダニズム運動のキーワードを掛け合わせた造語だとのこと。
出典:Artek – アルテックとは / https://www.artek.fi/jp/company/about
こんな人たち。
この若者の中の「アルヴァ・アアルト」さん(写真一番左の人)の作品を軸に展開されており、建築の世界でも有名な人だとのこと。
アルヴァ・アアルトさんが手がけた「スツール60」
インテリアのECショップをいくつか見ていると、どこかで見たことのある椅子を何度も見る。
こんな形の椅子、たしか実家にあったような….
出典:Artek – スツール 60 / https://www.artek.fi/jp/products/stool-60
この椅子は、Artekメンバーの「アルヴァ・アアルト」さんが作っただとのこと。
ECショップで見たとき、はじめは値段が高くてビックリした。
正直なんかよく見る形だなぁと思ったのですが。
当時は、とてもとてもユニークな形だったのかなと思ったり。
ビンテージものだから高いのかな?と思ったり。
調べてみると、座面と三本の脚という最小限の要素でシンプルにできていて、椅子だけでなくローテーブルやアクセサリーを飾る台や、高いところの物を取る台のかわりだったり様々な用途で使える且つ、簡単に重ねられるので収納に困らないものになっていると!
言われてみれば、実家は人が多く集まるところだったので、イベント時で人が多くなり椅子がすくなると、お助け椅子として重ねられたこのスツールを取り出して出していたなぁと思いだす。
身近な物の裏にアイデアが詰まっていることに少し感動する。
機能的で見た目がシンプルだから長く世界で使われているのね。
この形状のものは安価でホームセンターでも似たようなものがが売っているので、実家のものはおそらくそちらだと思われるのですが。。。。
この形や機能性を思いつくセンスが素敵やなと思った。
しかし、この椅子にはこれだけではなく、もう一つのこだわりがあるとのこと。
曲げ木の技術「L-レッグ」
出典:Artek – スツール 60 / https://www.artek.fi/jp/products/stool-60
またこの椅子のもうひとつの素敵なポイントは、足部分。
足部分がL字型にきれいに曲がってる。
これは、アアルトさんが自然素材である木材の温かさとに魅了され、国内で調達可能な木材を用いた技術開発に挑み
無垢材を直角に曲げる技術「L-レッグ」を考案したとのこと。
きれいになめらかに曲げられた部分は、このスツールのデザインのモダンな部分と温かい部分が併存させていて素敵やんかいなと思ってしまった。
このスツールの製造が動画で紹介されていたので、興味のある方はぜひご覧ください。
出典:Artek – スツール 60 :スツール 60ができるまで / https://www.artek.fi/jp/products/stool-60
曲げ木の技術で、とてもユニークな家具たち
曲げ木の技術は、スツール60以外のもいろいろな製品に使われているみたいで、下記のアイテムもおもしろいなと思った。
戦車のような椅子や、お茶などを運ぶトロリーなど、様々なアイテムに応用されている!!
出典:Artek – 400 アームチェア タンク / https://www.artek.fi/jp/products/armchair-400-tank
出典:Artek – 900 ティートロリー / https://www.artek.fi/jp/products/servierwagen-900
新しい時代を切り開く若者の意思
戦前の北欧の若者が、古い体制が色濃くのこる時代に、自分たちの「インテリアデザイン、アート、工芸」の技術やセンスを使い
自国のフィンランドに「モダニズムの思想」を取り入れ、新しい時代を切り開こうとした。
そして、その作品が現代も世界にのこり継承されているのは素敵で希望があるなと思ったのです。
強烈なインパクトでなくても、極限にシンプルに機能的で、ときにユーモアが入り交じるモノに、人はどこか惹かれるのだなぁと思う。
画一的に決められた形状だけに留めず、アルテックの家具はサイズや高さの調整、仕上げや色もカスタマイズをすることのできるようで、そのような柔軟性にも惹かれる理由のひとつなのかな。